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ARCHIVE 20190720

英語が話せるようになるための WHY、WHAT、HOW

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皆さんは、英語が自由に話せるようになるにはどうすればよいとお考えでしょうか?

 

よくわからない方も多いかもしれませんが、なかにはリーディングやスピーキングにもっと努力すれば英語が話せるようになるとお考えの方もいらっしゃるかもしれません。

 

今日は、ちょっとそのあたりのことを考えてみましょう。

外国語と言うと、何か特別の学習法があると思っておられる方がいらっしゃるかもしれませんが、外国語といえども言葉の1つにすぎません。その国の人々は、私たちが日本語を覚えたのと同じようにして言葉が話せるようになっています。

 

では、それはどういうやり方なのでしょうか?

言葉は、私たちも他の国の人たちもみな周りの人たちが話すのを聞いて覚えるのです。

言葉は、話したり、読んだり、書いたりすることではなく、聞くことで話せるようになるのです。

このことは、私たちの日本語について考えてみればすぐにわかります。

誰も生まれたときから日本語が話せた人はいませんし、まして生まれてすぐに本が読めたり、文章が書けたりするわけがありません。

だから言葉は聞いて覚えるのです。

すべては聞くことから始まるのです。

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もちろん、ある程度成長すると、本を読むことや周りの人と話すことや文章を書くことが、話す力のプラスになるのは事実です。

でも考えてみてください、私たちは一日の生活のなかで、「読む」、「聞く」、「話す」、「書く」のどれに一番時間を費やしているでしょうか?

その方のライフスタイルにもよりますが、平均的に見れば「聞く」時間が圧倒的に多いのではないでしょうか。

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会話をしているときを考えても、何人かと話していれば、自分が話しているときよりも他の人の話を聞いている時間の方がずっと長いのです。

つまり、「聞く」ことは私たちの言語生活の基本であり、「聞く」ことによって、私たちの言語能力は支えられているのです。

そのため、外国語の学習でも「聞く」ことを基本にするのが正しいやり方なのです。

これまで私たちが外国語の学習において十分な成果を挙げられなかったのは、「聞く」ことをおろそかにして、「読む」ことや「話す」ことにだけ力を入れてきたからなのです。

ところで、ここまでの話(WHY)をおわかりいただけたとしても、では何を(WHAT)どう(HOW)勉強したらよいのかと思っておられる方が多いのではないでしょうか。そこで次にそのことを考えてみましょう。

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何を勉強したらよいのかは、何のために英語を勉強するのかによります。

一般的に、英語にはフォーマルイングリッシュとインフォーマルイングリッシュがあります。

フォーマルイングリッシュとは、簡単に言えば、仕事やプレゼンなどで使われる、いわば「よそ行き」の言葉です。それに対して、インフォーマルイングリッシュは家族や友人との会話などに使われる「普段使い」の言葉です。

ですから、たとえば皆さんが外資系企業などにお勤めで、ビジネスシーンにおける英語のコミュニケーション力を高めたいとお考えでしたら、フォーマルイングリッシュを学ぶ必要があります。


一方、英語圏でのホームステイや留学などをお考えで、現地の人たちとのコミュニケーションに不安をお感じの方でしたら、学ぶべき英語はインフォーマルイングリッシュになります。

​このように皆さんが英語をどういう理由で必要とされているかによって、フォーマルイングリシュかインフォーマルイングリッシュを選ぶことになります。

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それでは、フォーマルイングリシュやインフォーマルイングリッシュはそれぞれどうやって学べばよいのでしょうか。

 

ここで思い出していただきたいのは、最初の「WHY」の話で申し上げように、言葉が話せるようになるには、それを「耳から学ぶ」ことが必要だということです。

 

では、それにはどうすればよいのでしょうか。

英語を「耳から学ぶ」方法の1つは言うまでもなく英語圏で暮らすことです。しかし、それができるのは限られた人たちだけです。日本にいる私たちが英語を「耳から学ぶ」ためにはどうすればよいのでしょうか?

英語圏以外の場所で英語を「耳から学ぶ」ことは、オーディオ教材しかない一昔前にはほとんど不可能でした。「英語も日本語のように学ぼう」という小論で書きましたが、英語を「耳から学ぶ」ということは英語を「状況」から学ぶということですが、そんなことは音声情報だけでは不可能だったのです。

しかしインターネットによる動画配信の普及で、英語の学習環境は一変しました。世界中どこにいても、インターネットにつながる環境さえあれば、英語ニュースや英語ドラマがいつでも視聴可能になったからです。そのため、わざわざ英語圏でホームステイや留学をしなくても、いやそれどころか日本で高いお金を払って英会話スクールに行かなくても、自宅に居て英語を学んで英語が自由に話せるようになったのです。

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(CNN 10)

フォーマルイングリシュを学びたい方でしたら、CNN 10などの動画ニュースを、インフォーマルイングリッシュを身につけたい方は『デスパレートな妻たち』などの英語ドラマや映画をご覧になればよいのです。

​もしわからないことがあれば、インターネットでトランスクリプトを見つけて、それを参考にして自分で調べて解決することができます。もうネイティブの先生もいらなくなってしまいました。私たちが日本語を誰にも教わらずに学んだのと同じように英語も学べるようになったです。

ここでドラマや映画について一言しておきたいと思います。

皆さんのなかには、ドラマや映画は架空の話だからあまり興味が湧かないとお感じの方がいらっしゃるかもしれません。

しかし、仮にストーリーが現実離れしたものであったとしても、ドラマや映画の大部分は私たちの日常生活を模しています。ドラマや映画は私たちの日常生活を映し出す鏡のようなものなのです。

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(Desperate Housewivees)

ですから、英語ドラマや映画のなかに出てくる言葉は、ネイティブスピーカーがふだん使っている言葉そのものです。そのため、ドラマや映画ほどインフォーマルイングリッシュの勉強に役立つ素材はないのです。

ところで、英語のドラマやニュースが英語を「耳から学ぶ」ためのもっともよい教材だとしても、これまでに実際にご覧になられて難しすぎてわからなかったという方も多いかもしれません。

確かにネイティブが見ているドラマやニュースを私たちが自分の興味だけで選ぶと難しすぎることがあります。興味が持てるもので勉強することは大事ですが、あまり難しいものは教材には向きません。

英語ドラマやニュースを選ぶ際に、他人の勧めや評判を参考にするのもよいですが、いちばん大事なことは、自分で実際に視聴してみて内容がほぼわかるものを選ぶことです。

「内容がほぼわかる」と聞くと、難しいものにチャレンジするのが勉強ではないですか? と思われる方もいらっしゃるかもしれません。そのチャレンジ精神や向上心は敬意に値しますが、外国語の場合には、どんなにやさしいものであっても、正しい着眼点があれば学ぶことはたくさんあります。

難しすぎて挫折するのではなく、やさしいものから一歩一歩学んでいくことが大事です。それは登山にも似ています。低山がこなせるようになって初めてアルプスが目指せます。雪山で十分な経験を積んでこそヒマラヤに挑めるのです。

とは言え、山登りがそうであるように、英語ドラマやニュースを見るにあたっても、一人でチャレンジするのはなかなか大変かもしれません。良き仲間やリーダーがいる方が、早く目標に到達できるのではないでしょうか。

そのために、JOICE では、英語ドラマやニュースを見るセミナーを開催して、参加者の皆さんに「英語ドラマの攻略法」や「英語ニュースの見方」などのプレゼンも行っております。

英語ニュースやドラマ(WHAT)を正しいやり方(HOW)でご覧になれば、誰でも必ず英語が自由に話せるようになります。皆さんが、いつの日かご自身の目標を達成されることを心から祈念しております。

​(この文章は2019年7月20日に配信したニュースレターの内容を加筆補正したものです)

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