皆さん、長谷川です。
4月16日のメールでお知らせしましたように、このフォーラム上でWEB読書会を開催します。
今回の課題図書は、フランスの作家アルベール・カミュの代表作の1つである『ペスト』(1947年)です。

原書、邦訳、英訳など、お読みになる言語は問いません。
開催期間は、本日(4月18日)から5月31日とします。
すでにお読みになっておられる方もいらっしゃると思いますし、外国語でゆっくりと時間をかけてお読みになりたいという方もいらっしゃると思いますので、開催期間を長く設定することにしました。
皆さんは、『ペスト』に登場する人たちの生き方についてどう思われますか?
リウー 「これは誠実さの問題なんです。こんな考え方はあるいは笑われるかもしれませんが、しかしペストと戦う唯一の方法は、誠実さということです」
ランベール「どういうことです、誠実さっていうのは?」
リウー「一般的にはどういうことか知りませんがね。しかし、僕の場合は、つまり自分の職務を果たすことだと心得ています」(p. 245)
ランベール 「あなたがたは一つの観念のために死ねるんです。それはありありと目に見えますよ。ところがです。僕はもう観念のために死ぬ連中にはうんざりしているんです。僕はヒロイズムというものを信用しません。僕はそれが容易であることを知っていますし、それが人殺しを行うものであったことを知ったのです。僕が心をひかれるのは、自分の愛するもののために生き、かつ死ぬということです」(p. 244)
タルー 「僕は、自分が生きている社会は死刑宣告という基礎の上に成り立っていると信じ、これと戦うことよって殺人と戦うことができると信じた。(中略)もちろん、われわれだって、必要な場合があれば、処刑を宣告していたことは、僕も知っていた。しかし、こういったいくつかの死は、もう誰も殺されることのない世界をもたらすために必要なのだと僕は聞かされていた。これはある意味ではまあ真実だし、それに結局僕は、この種の真実をあくまで信じ通すことができないたちなのかもしれない。確かなことは、僕が躊躇していたということだ」(p. 371)
その他、皆さんの感想や意見、またQ&Aなど、何でもこのページに投稿して、みんなで考えを交換し合いましょう!
原文の読書会、いいですね!映画の鑑賞会もいいかも
。
私が一番好きな本は、「風と共に去りぬ」です。いつかは英語で読んでみたいです。ふみこさん、ナイスチャレンジですね!
なぜ医者を主人公にしたのかは考えていませんでした。ただ、タルーとリウーはカミュの表裏というか、同一人物なのだろうと思いました。初めはこの物語の語り手はタルーだろうと思っていました。
指摘された会話の部分もあまり深くは考えませんでしたが、この部分で作者が伝えたかった事は、「精一杯生きろ」ということなのだろうと思います。
Hi, I'm fumiko.
thanks for notice!
sorry...I don't readed to all now.
This theme in exension for a period of time. about this is I so lucky.
I 'm first charenge to reading literature by english.
Youtube's audiobook is verry good. narrator is nice, I like it.
Please give me a little more time. see you later :) !
WEB読書会(第1回)開催期間延長のお知らせ
皆さん、長谷川です。
カミュの『ペスト』はもうお読みになりましたか?
この小説は、ペストに襲われたオランの町が、コロナウィルスの蔓延する今の私たちの状況と似ているところから、再び注目を浴びるようになりました。しかし、カミュはこの作品のなかで、ペストによる死に直面した人々の行動を通じて、世界の見方や人間の生き方という大きな問題について、私たちに問いかけています。
そこで、『ペスト』に描かれている人々の生き方や彼らが語る言葉について、これからも皆さんと一緒に考えていくために、6月以降もこの読書会を継続したいと思います。
また、いつか会場に集まれるようになったときに、カミュの読書会を対面で開きたいと思っています。
2018年6月にNHKが放送した、『100分de名著 アルベール・カミュ“ペスト”』も参考にして、これからもカミュの『ペスト』の読書会への投稿をお願いします。(下のタイトルをクリックすると各回の放送がご覧になれます)
① 100分de名著 アルベール・カミュ“ペスト” 第1回「不条理の哲学」
② 100分de名著 アルベール・カミュ“ペスト” 第2回「神なき世界で生きる」
③ 100分de名著 アルベール・カミュ“ペスト” 第3回「それぞれの闘い」
④ 100分de名著 アルベール・カミュ“ペスト” 第4回「われ反抗す、ゆえにわれら在り」(最終回)
皆さん、こんにちは。長谷川です。
WEB読書会の課題図書、カミュの『ペスト』はもうお読みになりましたか?
今日はこの小説について皆さんにお尋ねしたいことがあります。
カミュは、なぜ医師を『ペスト』の主役の一人にしたのでしょうか?
もちろん、ペストが蔓延すると人々は当然お医者さんに頼りますよね。
それはコロナウィルスが流行する中、私たちが医療従事者に依存するのと同じですね。
(感染の危険にさらされながら新型コロナと闘う医療従事者に
「ありがとう」のイルミネーション:神戸)
こうした中では、お医者さんをはじめとする医療従事者は社会を救ういわば「ヒーロー」ですから、小説『ペスト』にリウー医師が主役として登場するのは自然なことのように思われますよね。
でも、カミュがリウー医師を『ペスト』の主役の一人にしたのはそれだけのことなのでしょうか?
このことと関連して、私が興味を持った『ペスト』の中の一節があります。
それは、タルーがリウーに保健隊を組織したいと打ち明けるところから始まる二人の会話です(新潮文庫 pp. 177-192)。
皆さんはこの会話を覚えておられますか?
カミュはここで読者に何を伝えようとしたのでしょうか?
皆さんのお考えをお聞かせください。
『ペスト』をまだ読了されていない方も、この箇所を読んでコメントを寄せていただければ幸いです。
こんにちは。やっと読み終わりました。
私はキリスト教に興味はありますが、その教えに共感したことはあまりなかったように思います。
ただ、この本でのキリスト教の考え方には少し同調できるように思いました。
カミュが異端とされているからかもしれません。神の助けのみを絶対視していない点に共感できたように思います。
この本では悲惨な状況が描かれれてはいますが、その悲惨さを強調せず、むしろ静かな、穏やかな描写となっていました。感情よりも理性や良識を重んじる人物が多く描かれていたことが印象的でした。特に、ランベールがこの町から逃げ出せるところを踏みとどまる彼の決意や、それに対して穏やかに逃げるよう勧めるリウーが印象に残っています。